旅が好きなのか、旅をしている自分が好きなのか

今、フランス・パリにあるパリ第7パリ・ディドゥロ大学の図書館でこの記事を書いている。

実は先週の15日からパリに来ている。思ったよりも寒く、予想通り街はそんなに綺麗ではない。ホームレスは「腹減った」という看板と共に路上に座っているし、地下鉄の車両で紙コップを持ちながら「小銭を恵んでくれ」と叫んでいる。まだ来て間もないが、パリは色々と考えさせれる街だ。
日本から出るのは2年以上ぶり。2015年7月を境にパッと海外へ行かなくなってしまった。一体あんなに「海外!旅!」と言っていたのに急に興味がなくなった。なぜだろうとよく考えてきた。恐らく、思考や意識が外ではなく、内に向かっていたからだろう。抽象的だがそう思う。

前回の旅で、僕は「海外を旅することが好きではない」ということがわかった。ただ「旅をする自分」が好きだったのだ。だから、観光地に足を運ぼうという気も起きなかったし、一番楽しかったのはインスタグラムに旅先で撮った写真のディスクリプションに気取った文章を綴るときだった。(今も十分気取っている文章を書いているのはわかってる)エフェクトにエフェクトを重ねて“インスタ映え”する写真と旅人っぽい文章を書く作業。“セルフブランディング”のための旅だった。

そのインスタグラムのアカウントは帰国後しばらくして削除した。中には残しておけばよかった写真もあるが、ほとんどが思い出がない写真ばかりだから別にいい。この経験から言うが、旅をしながらSNSを頻繁に更新している奴は時間を無駄にしている。心も体も異文化の中に溶かしていくべきだと思う。

そう言いながら僕もこのブログを書いているからお互い様か。

今回久しぶりに日本を出てみようと思ったのはフランス人の彼女ができたからだ。彼女は今年8月まで日本に留学して生まれ故郷のパリに帰っていた。だから、あくまでパリが目的ではなく、彼女に会うことを楽しみにして来た。「いつかはパリのアパートで一年くらい生活してみたい」というかぶれ過ぎた憧れを心のどこかにもっていたが、まさか現実になるとは思っていなかった。神様、グッドジョブ。

とりあえずパリには来年の2月くらいまでいるつもりだ。間に、ベルリンとフランスの他の地域を挟むが大半をここで過ごす。ライターの仕事はフリーでやれているから、生活するお金はある。日本食材が驚くほど揃っているスーパーもあるから食の心配はいらない。この間、フランスパンをワイルドに噛み千切ろうとしたら、顎がもってかれそうになった。顎関節症には多めの水で炊いた米が無難だ。

今回の少しばかりの生活では、できるだけ外へ出て色々な景色を目に焼きつけようと思う。内向的な僕なりにパリという街をしっかりと見ていきたい。それにしても、5階建てくらいある図書館の各階を探して席を見つけなきゃいけないなんて、フランスの学生はかなり勉強をしているようだ。

おしまい。